令和5年(2023)6月市議会 一般質問
- 工藤けいこ
- 2023年6月23日
- 読了時間: 10分
更新日:7月31日
市民の暮らしに寄り添う、やさしい河内長野市をめざして
今回の市議会定例会では、「市の活性化」「子どもたちへの支援」「女性が生活しやすい環境づくり」の3つの柱に沿って、多くの現場の声をもとに質問・要望を行いました。
キックスでは、キャッシュレス決済やWi-Fi整備の進展を評価しながら、駐車場出庫渋滞の改善や、保護猫譲渡会での施設対応の柔軟化を提案。ライトアップの活用にも期待を寄せました。
「ゆう☆ゆうスペース」では、不登校の子どもたちが安心して過ごせる個別スペースや、動物との触れ合い体験などを提案。給食提供の環境整備も求め、社会とのつながりを支える居場所づくりに取り組んでいます。
女性の健康支援では、婦人科検診の受診体制強化や、小中学校のトイレへの生理用品設置について、生徒の心の負担に配慮した仕組みづくりを要望。寄贈団体の活用など、持続可能な方法も提案しました。
市民の皆様が安心して暮らせる社会の実現に向けて、これからも一つひとつ丁寧に、市民目線で寄り添いながら、まちづくりを進めてまいります。
主な質問・再質問と答弁内容(要約)
件名1
河内長野市立市民交流センターKICCSを活用した本市活性化について。
キックスの利便性や魅力向上について
質問(工藤): 会議室利用料金支払いのキャッシュレス化導入の進捗状況についてお尋ねします。
生涯学習部長: 文化施設予約システムにキャッシュレス決済機能を付加する作業を進めており、昨年度末にリニューアルが完了しました。現在、対象施設と所管課との実務上の調整を進めており、今年度内には、対面での事前ヒアリングを必須としない諸室において、クレジットカード決済およびQRコード決済を順次開始する予定です。
再質問(工藤): キャッシュレス決済が夏ごろから開始され、Wi-Fiも整備されているということで、利便性向上が進んでいることを嬉しく思います。
質問(工藤): エントランスを通らずに入退室できる集会室を、猫譲渡会などの会場として利用することはできませんか。
生涯学習部長: 集会室は裏口から直接出入りできる扉を備えていますが、地下駐車場への動線や利用後の清掃等の課題が考えられます。キックスに限らず市内の公共施設では動物の携行を制限しています。猫譲渡会で持ち込まれる猫がペットに該当するかという議論もあり、衛生面、安全面、管理者の負担等を考えると、施設全体に及ぼす影響を考慮し、慎重に検討したいと考えています。花の文化園で実施されている事例も参考にさせていただきます。
再質問(工藤): 裏口前には一時的に車を停められるスペースがあるため、そこから猫の搬入・搬出を行い、車を地下駐車場などに移動させれば、キックス館内で動物が苦手な方と猫が鉢合わせることはないと思います。譲渡会で猫が持ち帰られることもなく、清掃についても特別な汚れはないはずです。花の文化園で譲渡会が継続されていることから、問題はないと考えられます。ぜひ花の文化園の事例を参考にしてください。
要望(工藤): いろんな保護猫団体が譲渡会の場所探しで困っており、猫が逃げないよう扉がしっかり閉まり、気温変化に強い冷暖房完備の施設を求めています。ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。
各種事業のさらなる啓発活動への活用について
質問(工藤): エントランス展示だけでなく、展示と連動した建物のライトアップはできませんか。
生涯学習部長: 昨年度実施したESCO事業により、屋外LED照明による5階柱部分の白色点灯が可能となりました。今後、カラーフィルムを利用した屋外照明色の変更も可能となり、1階エントランスの活用と併せて、各課事業の普及啓発キャンペーンに活用していきたいと考えています。
再質問(工藤): ライトアップはいつから実施予定で、コストはどれくらいを見込んでいますか。
生涯学習部長: ESCO事業で屋外LED照明を導入したため、電気代は非常に微々たるものです。タイマー機能もあるため、ライトアップは可能です。現在、他市の事例も参考にしながら、社会を明るくする運動などのキャンペーンカラーに合わせて実施に向けた協議を進めています。
要望(工藤): コストをかけずに市長念願のライトアップができるのは大変ありがたいです。啓発活動を強く推進しているので、たくさん取り組んでいただきたいです。
キックス駐車場の事前精算機の故障修理の状況について
質問(工藤): キックス駐車場の事前精算機が2台とも故障したままで、出口ゲートでしか精算できないため大渋滞が発生しています。故障修理の状況についてお聞かせください。
生涯学習部長: 平成14年の開設当時から使用している機器のため老朽化により修繕が困難です。現在、事前精算機の更新だけでなく、様々な課題を抱えていることから、民間企業による駐車場運営方法も視野に入れながら、機器の更新や駐車場料金の上限設定などの課題解決を目指してまいります。
再質問(工藤): 出庫渋滞により利用者に多大な迷惑がかかっているので、速やかな対応が望まれます。いつ頃対応予定で、具体的にどのように変更される予定ですか。
生涯学習部長: 現時点では時期も内容も決まっておりませんが、精算機が故障している現状を踏まえ、できるだけ早く進めていきたいと考えています。民間手法の導入も検討しており、その際には、上限設定などの課題も解決できればと思います。最近普及しているゲートのない4桁ナンバープレートでの事前精算なども視野に入れ、様々な課題解決に努めてまいります。
要望(工藤): コロナ禍以前の状況で開催されるイベントも増え、キックスの駐車場渋滞はますます頻発すると思いますので、早い対応をお願いします。
件名2
適当指導教室(ゆうゆうスペース)について。
学校へ行きにくくなった子どもたちへの環境充実と今後の取り組みについて
質問(工藤): 狭小な施設のための活動制約を解消するため、移設を検討されているとのことですが、今後の取り組みについてお尋ねします。
教育推進部理事: ゆう☆ゆうスペースは移設を検討しています。今後は、一人ひとりの児童・生徒の状況に応じた支援が可能となるよう、個別のスペース設置や様々な体験に取り組めるプログラム作成など、活動を充実させていきたいと考えています。
質問(工藤): 心を休め、笑顔で踏み出してもらう助けとなる取り組みの一つとして、動物との触れ合いを活用してはいかがでしょうか。
教育推進部理事: 動物との触れ合いは自己肯定感を高める効果が見込まれますが、動物が嫌いな子どもやアレルギー症状への配慮、動物の管理など様々な課題があるため、十分な検討が必要です。ゆう☆ゆうスペースに通う子どもたちの状況が多様化しているため、人とのつながりの中で社会性や自立性等を育みながら、不登校状況に応じた支援ができるよう教育機会の確保を図ってまいります。
再質問(工藤): 「不登校 動物」や「不登校 ペットセラピー」で検索すると、子どもたちにプラスの効果があるという検証結果が多く見られます。動物が嫌いな子やアレルギーの心配があるため、ゆう☆ゆうスペースが移転して部屋が増え、希望しない子が動物と関わらなくてもよい環境ができたら、ぜひ導入を検討してほしいです。
再質問(工藤): 土・日が休みのゆう☆ゆうスペースで動物を飼うのは難しいと思いますが、保護犬や保護猫に来てもらう、長野高校のヤギの太郎に来てもらう、盲導犬の啓発として盲導犬に来てもらい仕事を紹介するなどの方法はどうか。市として日常の手間もコストもできるだけかからず、動物を管理されている方にもメリットがある方法を選んでほしいです。
要望(工藤): ゆう☆ゆうスペースでも給食が食べられるようにできませんか。
教育推進部理事: 配送や給食の安全性の面など非常に難しい問題ですが、課題として捉えさせていただきます。
要望(工藤): 難しいことは承知していますが、学校に行きにくい子どもたちも給食を食べる権利を持っているので、特定の曜日など限定的でも良いので、ロスが出ないような工夫を凝らして提供を検討してほしいです。学校に行けない子どもたちが社会とのつながりを失うことを心配しています。ゆう☆ゆうスペースが、子どもたちが楽しんで、心が元気になり、次に踏み出すきっかけとなる居場所になるよう、環境を整えてほしいです。
件名3
女性が生活しやすい河内長野を目指して
婦人科検診について
質問(工藤): かかりつけ医での婦人科検診を希望する声が多くあります。市内に婦人科医が少ないため、他市との連携も視野に入れた検診体制づくりについて市の見解をお尋ねします。
市民保健部長: 女性を対象としたがん検診として子宮頸がん検診と乳がん検診を実施しており、子宮頸がん検診は市内2か所、乳がん検診は市内外合わせて4か所で受診可能です。保健センターでも集団検診を実施しています。かかりつけ医での婦人科検診を希望される声は認識しており、近隣市の検診実施状況や連携意向を情報収集し、市医師会と協議して受診しやすい検診体制づくりに向けて検討してまいります。今後も、取扱医療機関の充実や休日等のがん検診の実施など、受診機会の確保に努めてまいります。
再質問(工藤): 乳がん検診は機械が必要なのでかかりつけ医で診てもらえないのは仕方ないと思いますが、子宮頸がん検診は内診なので、かかりつけ医で診てもらえるならいつもの診察と一緒に診てもらいたいという女性の気持ちは非常によく分かります。河内長野には婦人科が2つしかなく、5がん検診以外で子宮頸がん単独だと実質2か所しか選べない状況です。富田林市は市内6か所、大阪狭山市は市内3か所の他に富田林市5か所と堺市37か所と連携し、合計45か所で診てもらえるようです。受診率が上がる取り組みの一つとして、かかりつけ医での検診受診を可能にするよう要望します。
市民保健部長: 情報提供ありがとうございます。他市の状況を分析し、本市も医師会と連携しながら、より良い方策を見出していきたいと考えています。
要望(工藤): ぜひ検討をよろしくお願いします。
小中学校のトイレの個室内への生理用品設置について
質問(工藤): 小中学校のトイレの個室内への生理用品設置についてお尋ねします。
教育推進部理事: 生理用品の学校トイレへの配備は令和3年度から各校の実情に応じて取り組んでおり、現在、全ての中学校でトイレ内に設置しています。トイレ個室内への設置は管理面の課題もあるため、養護教諭が状況を把握し、生徒の立場に立った取り扱いや指導方法を検討しています。小学校では、発達段階に応じて体の成長や生理用品の使い方を丁寧に指導する必要があると考えています。生理用品の設置と併せて、子どもとのコミュニケーションを大切にし、様々な悩みを受け止め、心に寄り添うとともに、学校の相談体制の充実にも努めてまいります。
再質問(工藤): 小学校3年生で生理がある子もおり、生理周期も不安定な中、急に生理が来ても恥ずかしさから友達にも先生にも言えず、精神的に辛い思いをしている可能性があります。コミュニケーションを取りたいから大人に話をしに来てほしいというのは、大人側の気持ちの押しつけではないでしょうか。辛さから「先生、今日帰りたいです」と言って帰っている子もいるかもしれません。
再質問(工藤): 中学校では各学年のトイレに設置を進めているようですが、小学校でもトイレに設置することは可能ではないでしょうか。
教育推進部理事: 過去2年弱でトイレへの設置を進めており、利用状況も良く、設置場所も徐々に増えています。小学校での設置も可能ではないかと考えていますが、子どもたちの状況と、まずは適切な指導を踏まえた上での設置ですので、学校の状況を見ながら検討してまいります。
再質問(工藤): 子どもとコミュニケーションを取りたいのであれば、「悩みがあったら何でも相談してね」といった保健の先生からのメッセージやポスターをトイレ内に貼ったり、生理用品のそばにカードを置いたり、生理の豆知識的なものを個室の座ったらよく見える場所に貼ったり、LINE相談を導入したりと、別の方法でアプローチすることはできませんか。
教育推進部理事: 養護教諭がトイレの生理用品設置場所に、心が和むような言葉がけのポスターなどを工夫して設置しています。生理に関することだけでなく、家庭の事情など他人に言えない悩みについても、生理用品をきっかけとしたコミュニケーションの中で探っていく必要があると感じています。
要望(工藤): コスト増加の懸念もありますが、レッドボックスジャパンという生理用品を学校や公共施設に寄贈する団体があり、長野県松本市や徳島県徳島市、神奈川県川崎市、沖縄県などで継続的な支援を行っています。市としてもこの団体の利用を検討されてはいかがでしょうか。