令和4年(2022)6月市議会 一般質問
- 工藤けいこ
- 2022年6月30日
- 読了時間: 11分
更新日:7月31日
みんなが安心して暮らせる河内長野へ
3つのテーマでご提案しました
今回の定例会では、子どもたちの未来、まちのにぎわい、そして市民サービスの質向上という3つの柱から、具体的な質問と要望を行いました。
不登校対応では、専門機関や民間施設との連携に感謝しつつ、「居場所を選べる」ことの大切さを強く訴えました。岡崎市「F組」のような柔軟な取り組みを参考に、本市でも子どもたちが安心して過ごせる場づくりを進めてほしいと提案しました。
観光政策では、「道の駅奥河内くろまろの郷」の駐車場不足問題に触れ、周辺施設や開発地域の活用を提案。“駐車できないまち”にならないよう、対策を急ぐべきだと強調しました。
市民サービスでは、公共施設使用料のキャッシュレス化、市の求人情報の分かりやすさ向上、そして地域猫活動の支援強化を提案。ボランティアの皆さんが安心して活動できる仕組みづくりを求めました。
ひとつひとつの課題に、市民のみなさまの声を込めて。これからも、誰もが笑顔で過ごせる河内長野を目指して、丁寧に取り組んでまいります。
主な質問・再質問と答弁内容(要約)
件名1
小中学校での不登校の対応について。
学校に通う事が困難となってしまった子ども達に対し、市が行っている取り組みについてお尋ねします。
(1) 近年の不登校人数の推移について。
(2) 現在のサポート体制、取組みについて。
質問(工藤): 専門機関やフリースクール等の民間施設とも連携しているとのことですが、具体的にどのように連携しているのか教えてください。
教育推進部理事: 不登校の子どもや保護者からの相談があった場合、学校や教育委員会からも施設の見学をさせていただき、そこで対応が可能かどうかを連携させていただいている。
再質問(工藤): ご要望があればご提案いただけるということで、居場所の選択肢をいろいろ教えてくださっているのはありがたい。学校に行くこと、教室に入ることがしんどくなってしまった子どもたちに無理をさせたくないというのが私の思いです。しかし、家に閉じこもるだけでなく社会とつながっていてほしいというのが親心です。居場所の選択肢を1つや2つだけでなく、多様に用意してほしい。民間のフリースクールは費用負担や新しい環境への馴染みやすさ、通学距離がネックとなることがある。そこで、校内フリースクールという取り組みをしている地域があるが、ご存じか。特に愛知県岡崎市の取り組みはどうか。
教育推進部理事: 近年、岡崎市で校内フリースクールに取り組んでいることは調査済み。人的、物的な環境整備が必要だと感じている。
再質問(工藤): 校内フリースクールは、自分でスケジュールを決められ、オンライン授業も受けられ、体育など好きな授業だけ自分の教室に戻って受けることができるのが素晴らしい。岡崎市では「F組」(フィット、フリー、ファン、フューチャーの頭文字)という名前で取り組んでおり、自由に行き来できる。部屋の中でお菓子作りをしたり昼寝もOKとされている。この「F組」という名前も良いと感じる。適応指導教室という名前について、保護者から「適応できていない」と烙印を押されているように感じるとの意見があるが、ネーミングについてどう思うか。
教育推進部理事: 国が適応指導教室という名称を位置づけているため、公的には使用しているが、子どもたちや保護者には、千代田中学校の「なごみ」や市全体の「ゆう・ゆう」といった柔らかい雰囲気の通称を使用し、疎外感やハードルを感じさせないよう配慮している。
再質問(工藤): 「なごみ」や「ゆう・ゆうスペース」という名前は良いと思う。広島県呉市ではスペシャルサポートルーム、神奈川県横浜市ではあったかハートルーム、愛知県名古屋市は校内フリースクールという形で取り組んでいる。岡崎市は令和2年に3校に校内フリースクールを設置したところ、不登校児が減り、通常の教室に戻れる子も増えた実績があり、令和5年には全中学校20校に校内フリースクール「F組」を設置する予定。河内長野市としても、適応指導教室という感じではなく、どちらの教室も行き来できるような、教室らしくないしつらえにされている取り組みをされているが、同じような取り組みをされる予定はあるか。
教育推進部理事: 校内フリースクールを学級として位置づける場合、人的配置が必要となるため、現状では人員の余裕がない。国から教員の加配があれば前向きに取り組める。教室環境については、各学校の校内適応指導教室でも柔らかい雰囲気の教室作りをしている。校内フリースクールの取り組みについてさらに研究しつつ、まずは現状の校内適応指導教室を充実させていきたい。
要望(工藤): 実績を出している他市の取り組みを参考にすることは近道だと思う。人員の加配が必要とのことなので、私からも府に要望するとともに、市からもぜひ府に積極的な要望を上げてほしい。学校に行くことが全てではないし、行かない選択もそれぞれの人生だと思うが、行きたいという思いを持つ子がいるなら、行ける場作りをしてあげたい。自分で自分を認められる、表現できる、好きでいられる人間に成長できるサポートを常にしていきたい。市と議会が協力して、良い教育環境をつくっていけるよう、引き続きよろしくお願いします。
件名2
アフターコロナの観光政策について。
現在、道の駅くろまろの郷は連日多くの方々で賑わっているが、近隣河川でのバーベキュー利用等の影響で休日は駐車場が足らず、駐車場待ちの渋滞が発生してる。本市にとって重要な集客施設である道の駅くろまろの郷での機会損失を防ぐ対策についてお尋ねします。
(1) 道の駅くろまろの郷の駐車場拡大について。
(2) 近隣施設・設備の有効利用の可能性について。
質問(工藤): くろまろの郷の駐車場は以前から足りていないと認識している。例えば、花の文化園のふれあい駐車場をもう少し活用することはできないか。
環境経済部長: 花の文化園前の駐車場は現状では譲り合い駐車場として活用しているが、大阪府立花の文化園のリニューアルに伴い、大阪府から活用についての打診がある。通路が狭いという問題もあるが、地元との合意形成ができれば、一般の方も約100台分使用できるようになる可能性があるため、可能性の一つとして大阪府と協議していきたい。
再質問(工藤): できるだけ早急に、地元の方の理解が一番大切だと思うが、使えるようになったら少しは混雑緩和されると思う。また、くろまろの郷、ビジターセンター、JAで働くスタッフの方々の従業員駐車場は足りているのか。もし足りていなくて通常の場所に停めているのであれば、例えばふるさと歴史学習館の駐車場が20台くらいあるうち、5台から10台くらいは借りられないか。
環境経済部長: 指定管理者の駐車場、JAの駐車場については、賃料を払い別のスペースを確保しており、原則として一般の利用はない。そのため、ご提案いただいたふるさと歴史学習館の駐車場を活用するということは、現状では考えていない。
再質問(工藤): スタッフ駐車場は別に用意されており、足りているということで了解しました。では、例えば上原・高向の開発地域で、駐車場エリアになる予定の土地を先に整備して活用することはできないか。
都市づくり部理事: 上原・高向のまちづくりは、地域の準備組合と一括業務代行予定者で計画しており、区画整理の手法で進めている。全体の地権整理が必要なため、駐車場のみ先行で整備するのは難しい。
要望(工藤): 難しいということで残念だが、期待している。駐車場問題は、今の機会損失だけでなく、評判が落ちて人気がなくなる可能性もある。多くの方に河内長野に来てもらい、まちを肌で感じてもらい、住む場所を考えるタイミングで思い出してもらい、河内長野を選んでほしい。来てもらわなければ、知ってもらわなければ、知らない場所に住みたいとは思わない。市外の方からも来ていただいているくろまろの郷を大切にしていきたい。
件名3
市民サービス向上に向けて。
以前より要望している、河内長野市立市民交流センター会議室等、公共施設の使用料支払いのキャッシュレス化導入の進捗状況について。
質問(工藤): 会議室等の利用料金の支払いをウェブで申し込み、ウェブ上で決済もできて、1週間以内に施設まで行ってお金を払うという手間がなくなるということで良いか。
生涯学習部長: まさにその通りで、自宅にいながらオンラインで全ての事務が完結するシステムを検討している。
再質問(工藤): ずっと要望していたことが実現しそうでとても嬉しい。令和5年度からと言わず、利便性向上のため、もう少し早く開始することはできないか。
生涯学習部長: このシステムは自宅で全て完結するというものであり、府内でも事例が少ないため、非常に慎重な検討とテストが必要。失敗は許されない。また、様々な施設や各課、指定管理者などの実務上の課題整理も必要。文化会館のホールなど、対面での打ち合わせが必要な諸室は適用除外とするなど、適用諸室の選定も時間がかかる。これらのシステム検証をしっかり行いながら進めていきたいので、時間をいただきたい。できるだけ早く開始したいとは考えている。
要望(工藤): 失敗のないように慎重に取り組んでくださるということで期待しています。ありがとうございます。
市役所等市の求人情報は、求職者が情報を取りにくい状況にあり、人材確保の面でマイナスであると考える。河内長野市ホームページに求人ページを設け一覧で掲載してはどうかと考えるが市の見解をお尋ねします。
質問(工藤): 市のホームページで求人情報を掲載する際、企業のホームページのように社名バナーの下に、沿革や社長挨拶と並んで求人情報が載っていることが多いと思うが、市ではどんな感じで載せる予定か。
総合政策部長: 市のページの中に「市政・地域」のページがあり、そこに求人情報を掲載する予定。加えて、モバイル画面では隠れてしまうことがあるため、注目ワードの検索窓に「求人情報」という注目ワードとして掲載し、そこを押すとホームページ内の求人情報が一覧で表示されるようにする。できるだけ見やすいように考えている。
要望(工藤): 市民の方が見つけやすいのが一番大切。各課のページにアップされた求人情報は新着から消えると、何課の求人か知っていないと探せなくなる。また、別の課の職員が他の課の求人を知らないこともあると聞くので、庁内の採用募集の情報共有もできると思う。市民だけでなく庁内でも利便性が向上すると良い。市役所は「採用募集」という言葉を使うが、一般的には「求人」で検索する人が多い。採用、募集、求人というワードで検索してもヒットするようにしてほしい。
以前より要望している、地域猫活動の進捗について。
質問(工藤): 府の事業に申請を行う自治会・町会をサポートしてまいりますとあったが、自治会・町会がないエリアはどうするのか。
環境経済部理事: 現在の地域活動は制度構築の途上にある。自治会を持たない活動団体への支援は今後様々な形で考えていきたい。本格的な取り組みが始まってまだ2年目なので、引き続き、河内長野市版の制度構築に努めていく。
再質問(工藤): 私がずっと同じことを言い続けているのでご存じだと思うが、今活動してくださっている個人や数名のグループの方々のサポートをしてほしいというのが私の質問の趣旨。今回、どうぶつ基金の行政枠チケットを言い続けてやっと取っていただけたが、個人の方にはまだ出せないとのこと。猫は増えるという話をずっと聞いているが、1匹の猫が半年で7匹、また半年で25匹、次には80~100匹くらいになると聞いた。野良猫の寿命は3年から5年と言われているが、私が見る限りもっと長く生きる子たちもいるので、そうなるともっと増えてしまうだろう。個人で活動されている方々は、どうぶつ基金チケットを申請しても希望する数だけもらえない現状がある中で、猫が増える前に活動したいと自腹を切って活動してくださっている。彼らが活動してくれているからこそ、爆発的な増加を免れている側面もある。行政枠チケットを、今現在活動しており、実績のある方々にもいち早くお渡しできるような仕組みづくりをしてほしい。
再質問(工藤): 猫は愛護動物。愛護動物を殺したり傷つけたりすれば5年以下の懲役、500万円以下の罰金、餌や水を与えず衰弱させれば1年以下の懲役、100万円以下の罰金となる。餌をあげれば「飼っている」ことになり、フンの始末なども必要だが、地域の方の理解も得なければならない。もし猫を攻撃してくる人がいたら、それは愛護動物をみだりに殺傷したことになるということも地域の方に知ってほしい。猫が嫌いな方には、自腹を切って猫が増えない活動をしてくださっている方々への理解を促すような働きかけを市もしてほしい。隣の市ではホームページに地域猫活動を呼びかけており、河内長野市とスタンスが全く違う。私たちは「捕獲器」と呼んでいるが、隣の市は「保護器」と書いている。もっと猫のことを真剣に考えて、近隣の積極的に活動しているところと情報共有し、一緒に取り組んでほしい。
要望(工藤): 河内長野は大阪府内で一番高齢化が進んでいるまちで、戸建てが多いこともあり、ペットを飼っている方も非常に多いと思う。ボランティア任せにしないために、府への働きかけをさらに強く、また市としてもボランティアの方への支援策をこれからも考えてほしい。