令和3年(2021)3月市議会 一般質問
- 工藤けいこ
- 2021年3月26日
- 読了時間: 10分
更新日:7月31日
市民の皆さまの声に寄り添い、子どもたちの未来を守るために
今回の市議会定例会では、ひとり親家庭の子どもの貧困対策、子育て支援の充実、そしてコロナ禍におけるイベント開催について質問と要望を行いました。
養育費未払いへの支援制度の導入を評価し、公正証書や保証契約への補助、民間回収代行も含めて、一人でも多くの方が養育費を受け取れるよう、丁寧な広報と支援の継続を求めました。養育費は“子どもの権利”であるという認識の広がりを目指します。
保育園では、おむつサブスクやコットベッドの導入、記名・持ち帰り負担の軽減、ごみ処理費用の市負担など、保護者が笑顔で育児に向き合えるような支援を提案しました。子育てしやすい河内長野市へ、いっそうの環境整備を進めたいと思います。
イベント開催では、「成人のつどい」が多くの新成人の喜びの声につながったことを嬉しく思います。来年度の会場選定にも活かしていただきたいです。「シティマラソン」では、誰もが楽しめる大会づくりへ向けて、マルシェなどの新企画や人材確保などについて、具体的に提案しました。
市民の皆さまの暮らしの安心と、子どもたちがのびのび育つ未来のために。これからも、暮らしの中の小さな声を大切に、魅力ある河内長野市をともにつくってまいります。
主な質問・再質問と答弁内容(要約)
件名1.ひとり親家庭の子どもの貧困対策について
厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」によると、特に母子家庭で約70%もの世帯が養育費を受け取っておらず、仮に養育費の取り決めをした場合でも半数以上が実際に払われていない現実があります。
本市でも令和3年度より、養事育費の未払いに対し、大阪府の助成を活用した補助事業を取り入れる予定だが、本市での業の詳細についてお尋ねします。
質問(工藤): 養育費の未払いに対し、大阪府の助成を活用した補助制度を令和3年度より取り入れる予定とのことですが、本市での事業の詳細についてお尋ねします。また、公証人手数料や調停の申立ての印紙代で上限3万円とありましたが、調停不調で裁判になった場合の印紙代なども含めて上限はありますか。
福祉部長: 離婚時等において、ひとり親家庭の父または母が児童の養育費の支払いに係る取り決めに要する経費(公証人手数料、家庭裁判所の調停申立てに要する収入印紙代及び郵便切手代)について、上限3万円まで補助します。調停が不調となり裁判となった場合においても、これに要する収入印紙代及び郵便切手代についても補助対象とし、それら全て合わせて3万円が上限です。
再質問(工藤): 全てで上限8万円になるのかなと思うが、府からいただける助成はいくらで、今後、国の助成もあるようですが、それがいくらになるか教えてください。
福祉部長: 国から2分の1の補助、市が2分の1を負担し、府の負担はございません。令和3年度の分は、今の状態で予算を計上させていただいております。
再質問(工藤): 国の補助は令和3年度はまだないと思うが、いつからか分かりますか。
福祉部長: 現時点では把握しておりません。
再質問(工藤): 府からの助成があるとのことだが、この補助事業について、何件くらい要望が寄せられており、予算はいくらを見込んでいるか。
福祉部長: 予算的には、公正証書で3人、養育費で3人を見込んでいるが、令和3年度は周知を先行する必要があり、この件数に達するかは疑問。しかし、様々な場所で周知していきたい。
再質問(工藤): 河内長野市の全ひとり親世帯数と、母子世帯、父子世帯の数を教えてください。
福祉部長: 令和元年3月末のデータでは、母子で765人、父子で28人、その他養育者で3人、計796人。令和3年3月末のデータは間もなく出るが、現在把握している合計数は834人。児童扶養手当の保護者の数でカウントしているため、例年を見ると令和元年の796人より少ないと予想される。
要望(工藤): 養育費を諦めている人が非常に多く、養育費自体を決めずに離婚されている方が54.2%、受け取ったことが一度もない方が56%いる。もらっていない人のうち31.4%は「関わりたくないから」、38.6%は「どうせ払ってくれないから」という理由だ。2020年4月に民事執行法が変わり、強制執行のハードルが下がり、民間の回収代行サービスも複数出てきたことで、直接相手に会わなくても養育費を受け取れるようになった。ぜひたくさん周知していただき、一人でも多くの方に養育費を受け取ってほしい。養育費があれば、習い事をさせたり、外食や旅行に行ったり、今日のお米が買えないという不安もなくなると思う。離婚前相談や児童扶養手当の現況届の際だけでなく、広報やSNS、あいっく等でもお知らせし、子どもにとって当然の権利を諦める人が出ないようサポートをよろしくお願いします。
件名2.子育て支援充実について
保育園・子ども園に児童を通わせる際、保護者は毎朝たくさんの着替えやおむつ等の身の回り品を用意し園に持参しており、日々の負担は大きい。市立の保育園・子ども園が率先し、希望者が民間会社のおむつ等のサブスクリプションサービスを使えるようにし、子育て世代の負担軽減による子育て支援を導入してはどうかと考えるが、市の見解をお尋ねします。
質問(工藤): 保護者は毎朝たくさんの着替えやおむつ等の身の回り品を用意し園に持参しており、日々の負担がとても大きい。市立の保育園、こども園が率先し、希望者が民間会社のおむつ等のサブスクリプションサービスを使えるようにし、子育て世帯の負担軽減による子育て支援を導入してはどうか。
福祉部長: 保護者だけでなく保育士の負担軽減にもつながると認識しているが、市中価格より割高となるサービスを公立施設で行うことや公平性の観点から、導入には慎重な検討が必要。今後は、おむつのみならず、それ以外の保護者の負担軽減策についても、先進事例や利用可能なサービスなどを研究し、実施可能なことから積極的に取り組んでいく。市外の保育所や認定こども園に対しアンケート調査を行うなど、保護者の負担軽減策につながる情報等を収集し、市内の各園と情報を共有できるような取り組みを進め、全ての就学前施設で子育て世帯の負担軽減を推進する意識を共有し、子育て支援の充実を図っていく。
再質問(工藤): 市内の保育園10ヶ所に聞き取り調査を行った結果、保護者が紙おむつ1枚1枚に名前を書き、毎朝荷物として持参している現状がある。お昼寝布団も月曜日に持って行き、金曜日に持ち帰って洗う負担が大きい。毎日おむつは5枚以上必要で、忙しい保護者にとって荷物の多さは大きな負担になっている。コットベッドは軽くて丈夫で場所も取らず、保護者が重たい敷布団を持ってくる必要がない。洗濯物も減り、夏は涼しく冬は暖かい。ハウスダストや窒息の心配も減るメリットがある。おむつごみの持ち帰りも半数の園で現状維持。1園だけ園が紙おむつを用意しており、使った分だけ精算している園がある。保護者負担が月平均2,000円程度であれば、非常に納得できる価格だと思う。多くの園でこのノウハウを共有してほしい。また、園でおむつのごみ処理代を負担している現状があるため、市がごみシールを園に渡すなどの支援をしてほしい。コットのメリットも共有し、導入時に支援金を付けてほしい。市長はこれを聞いてどう思われたか。
市長: 正直なところ、子育ては大変だと痛感した。関係部局と相談し、何ができるか検討していきたい。
要望(工藤): 保護者の助けとなり、子育てしやすい魅力ある河内長野市になること間違いなしなので、ぜひよろしくお願いします。
件名3.コロナ禍での本市イベント開催について
新型コロナウイルス感染症の影響で、本年度は開催を断念せざるをえない事業が多数ありました。今年度開催することができた事業の報告と、来年度の見通しについてお尋ねします。
質問(工藤): 新型コロナウイルス感染症の影響で、本年度は開催を断念せざるを得ない事業が多数あった。今年度開催することができた事業の報告と来年度の見通しについてお尋ねします。特に成人のつどいについて。
生涯学習部長: 令和2年度の成人のつどいは、感染予防対策としてラブリーホールから市民総合体育館への会場変更、入場制限、検温、ソーシャルディスタンス確保、換気、看護師配置などを講じて実施した。来場する新成人には手指消毒とマスク着用を促し、感染リスクを避けるため、式典終了後の食事会や懇親会への参加を控えるよう繰り返し呼びかけた。会場外での密集を避けるため、イズミヤ河内長野店との協力による割引クーポンつきティッシュ配布や撮影スポットパネル設置を実施。警察署の助言を得て車両誘導の人員を配置した。これらの対策により、感染症拡大予防だけでなく、交通渋滞や混雑も少なく、762名の参加を得て無事に式典を行うことができた。直前になって延期やオンライン開催に変更する自治体がある中で、不安に感じていた新成人から開催への感謝の声が多数寄せられた。来年度の成人のつどいは、今年度の実績や成果を踏まえながら、新しい生活様式に即した開催方法について慎重に検討していく。
再質問(工藤): 今回は警察の方が式典終了後に早々にお帰りになられたと聞いているが、いかがだったか。
生涯学習部長: 成人のつどいでは毎回河内長野警察と協議しており、今回はラブリーホールと違い、敷地内で完結するため、もともと警察の動員数は少なかった。警察も職員も、式典を見届け、敷地内で新成人が楽しんでいるのを見届けて、本隊は帰った。
再質問(工藤): 警備の必要がなくて、警察が早く帰られて、物々しい雰囲気がない中、和やかに最後皆さん時間を共有できたみたいでよかった。会場として、今回総合体育館だったが、いかがだったか。
生涯学習部長: 総合体育館は私どもの世代が成人式を行った場所で懐かしかった。平成4年にラブリーホールが開設した際、大ホールの1,300名の座席は成人式ができるキャパシティを意識していたと聞いている。ラブリーホール開設以降は総合体育館からラブリーホールに切り替えて開催してきたが、ラブリーホール前がすぐ公道であることから、近年特に警察との協議の中で警備体制強化の必要性が出てきていた。その点から考えると、総合体育館は非常にゆったりと、警備体制も含め、何よりも新成人が和やかにゆっくり楽しめたと感じている。
再質問(工藤): 来年度はまだどちらで開催するか決まっていないと思うが、今年度の成功体験になるのかもしれないが、会場選びの参考に、どちらか、ラブリーホールに戻すのか体育館になるのか分からないが、じっくり今回の様子を見て決めていただけたらと思う。
質問(工藤): 河内長野シティマラソンについて、今年度の本市マラソン大会は中止を決定したが、来年度の見通しについてお尋ねします。
生涯学習部長: 来年度の大会については、令和4年1月中での開催を目標に、コース変更等も含め、新たな内容で計画している。関西サイクルスポーツセンターをメイン会場とし、滝畑ダムを周回するハーフマラソンや、会場内でのファンランなどのコース設定を行う。市内飲食業者の出店ブースによるおもてなしなど、ランナーだけでなくファミリー層も楽しめる企画も検討している。予算成立後、速やかに大会実行委員会を立ち上げ、市の活性化にもつながる大会となるよう取り組んでいく。
再質問(工藤): シティマラソン、場所が変わるということで、長野小学校ではロッカーがないという不満が聞かれたが、スタート前のトイレや着替えのスペースは用意できそうか。
生涯学習部長: 関西サイクルスポーツセンターのプール更衣室など、施設をかなり活用できると聞いているので、そちらを活用する方向で考えている。
再質問(工藤): クラウドファンディングや企業版ふるさと納税、ネーミングライツなどでたくさん予算を取っていただいたが、協賛と参加費で賄えるような大会づくりを望みますが、いかがか。
生涯学習部長: エントリーフィー(参加料)で賄うのが理想。協賛企業からの財源も含めて運営できるのが究極の理想だが、3年ぶりの大会となるため、当面は市の支出が必要。今後運営状況を見ながら、協賛金や参加料で賄える大会を目指していきたい。
再質問(工藤): スタッフ不足の懸念は解消されているか。
生涯学習部長: 大会見直しのきっかけの一つが、スポーツ振興会や陸上競技協会の方々の高齢化によるスタッフ不足だった。新たな枠組みを考えると、スポーツ団体をメインにしながら、様々な層に参加してもらい担ってもらう形を考えている。3年ぶりの大会であるため、専門業者への委託なども考えている。また、会場変更もスタッフ数を減らす目的もある。
要望(工藤): 飲食店出店ブースも出されるとのことだが、マルシェなども実施し、走らなくても遊びに行きたくなるようなマラソン大会にしてほしい。